ヤマニ共進丸 航海日誌
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まき網漁について

共進丸機関長の幸祐(権田幸祐)です。
まき網漁は、網で囲んだ魚をきんちゃく袋のように口を絞って漁を行う事から、地元では、通称「きんちゃく」と呼ばれています。
そのきんちゃく漁の様子、一日を通して僕が説明したいと思います。

1出港
午後四時、乗組員が揃った所で、いざ出港目指すは沖合60キロ。いってきまーす。
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出港したらすぐに海の神様(りゅうごん様)、えびす様、船神様にお神酒を上げます。 ご飯やお茶も我々が口にする前にお供えするのがおきて。
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そして、食事の時間。女神たちの作ったご飯を皆で食べます。ひとたび漁が始まると夜明けまでご飯に有りつけない事もざら。食べられる時に沢山食べておく事がコツ。因みにこれが僕らの朝ごはん。
       
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お腹いっぱいになった所で、しばし、漁場に到着するまでの時間を使って、大切な道具の整備や、網のほつれを修繕したり、漁で使うロープ、ワイヤーの加工をしたりします。
また、その技術を皆で教え合うのも仕事の一環。
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その間、舵を握る船頭さん。
安全な航海の為、周囲の監視は怠りません。
双眼鏡の覗く先が魚群だったら良いのになぁ。
     
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操舵室にある沢山の漁労機器。
プロッター(ナビゲーションシステム)にソナー、レーダーに魚群探知機、潮流計、その他色々。全て使いこなせてこそのきんちゃく漁です。
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四時間かけてやっと漁場に到着。
先に灯船が到着して、魚群を集魚しています。
因みにプランクトンが光に集まる習性を利用してそのプランクトンを餌とする魚が集まるという仕組み。上手に食物連鎖を利用した漁法と言えます。
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「船頭さん、準備は万端です」
魚群もまずまず、後は投網のタイミングを待つだけです。
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「ピー」船頭の笛の合図と共に網を投げ入れ魚群を囲みます。
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慎重にソナーを見ながら著しく変わる魚群の位置、水深を見ながら的確に網を張ります。
緊張の一瞬です。
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無事網張りは成功したようです。
後は口(巾着袋部分の下側)を絞って一網打尽に出来れば・・・。
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見事魚群は僕らの網の中!
次は全長600メートルの網の回収作業が待っています。
       
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各自自分の持ち場に機敏に移動。
最善かつ迅速に乗組員達が動き出します。
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次の漁に備え、網も綺麗にたたんでいきます。
この時の網の重さは数トン。油圧機器での回収とはいえ、かなりの重労働です。
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因みに共進丸の回収スピードは玄界灘一!
乗組員たちの息もぴったりです!
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600メートルあった網を50メートル付近まで回収すると魚影が肉眼でも確認出来る様になってきました。
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「ん~。」と船頭さん。
でも今回は網に入った魚群を見て船頭さんは中々満足している様子に見えました。
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まだまだ網を絞ります。
最終的に魚だけがびっしり密集するまで網を絞って行きます。
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絞り終えた所で次は、取った魚を新鮮なうちに港へ届けるため迅速に運搬船へ積み込みます。
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網の横へ運搬船を着け、氷水の張った魚槽へ魚を入れて行きます。
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どうやって積み込むのかと言うと、今回は漁が多かった為、鮮度を少しでも落とさない様に「落としタモ」と呼ばれる大きな網を使って一気に積み込みます
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すくって、
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どーん。


おまけの話 1
次の漁場に到着するまでの間、さっき獲った魚を料理。
長い夜に備え、食事の準備です。
おまけの話 2
魚の料理を担当するのは若手の役目。
おまけの話 3
こうやって皆一人前の漁師になっていきます。
おまけの話 4
煮付けに、刺し身というシンプルな料理ですが、皆で力を合わせ獲った魚は絶品。
おまけの話 5
もっと、もっと、魚のおいしさを色んな方々に知って頂きたいと思うぼくです。
海に感謝。
 
東の空が明るみ、朝日が昇るまで、僕らの漁は続きます。

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